もうGooseでいいよ。

ハウスとタブロイド


P Y.House の所在について
ひとつの仮説を検証したい

 

Goosehouse の前身、Play You.House が活動していた、2010年末の話である。

当時、都心に棲息していたハウスメイトの中で、とりわけ、ウォーターフロント周りで
夜遊びしていたハウスメイトの間では、ハウスの所在について、かなりハッキリした
定説があったと、当ブログ管理人は記憶している。

それは、

『 Play You.House は、たぶん、あの場所にあるに違いない 』

という定説であった。

 

そして、『あの場所』 とは、この年の5月、港区湾岸・日の出に、アーティスト向け
スタジオスペースのレンタルやイベント活動の拠点としてオープンした
クリエイティブ・スペース、『 TABLOID ( タブロイド ) 』 であった。

Play You.House が TABLOID 内にありそうだ、という定説は、憶測やウワサのたぐい
というより、ほぼ確信に近いモノとして受け入れられていたように思う。

というのは、この後詳しく触れたいと思うが、当時のSONY walkman Play You.の広報
の資料やハウスメンバーのブログの言動が、比較的オープンで、これらの一次資料が、
まっすぐにTABLOID・ハウス説を示していて、ほぼ疑いようがないように当時は感じた。

ただし、まだ数少なかったハウスメイト達は、それを決して口外しなかった。

Play You.House の実験的なUSTLIVE の試みを支持していた当時のハウスメイト達は、
悪意ある第三者の邪魔が入ることを嫌がった。そういう情報の漏洩(ろうえい)を、野暮
(ヤボ)だと心得ている人が多かったんだと思う。

 

そして、Play You.House の10カ月の活動は無事終了し、Play You.Houseのリビングは
消滅、Goosehouse が誕生、ハウス自体も他所に移転してから、すでに5年が経過した。

 

最近のgooseファンの中には、Play You.House の存在さえ知らない人も増えている。

さらに、 TABLOID 自体が誕生から5年を経て建物に少々疲労箇所も表れ、全面的に
リニューアルされても不思議でない時期になっている(2012年に一部リニューアル済)。

上画像は、管理人が撮影した現在のTABLOID(2015年2月下旬)。まだまだお洒落な
感じは残っているけれど、オープン時の2010年当時は、cool さがハンパでなかった。

今回の記事は、TABLOID に当時の面影がある今のうちに、また、ハウスメンバーの記録
が残っている今のうちに(K.K.のブログは2010・11年がすでに閲覧不可、d-iZe兄のブログ
はハウス関係の画像を全て削除など、当時の記録が失われつつある)、Goosehouse 史の
一部として、TABLOID・Play You.House 説を、現在の目線から検証するものである。

 

もとより、Play You.House の所在は未公開となっている。今後も永久に明らかにされる
ことはないだろう。この記事はそれに異を唱えるものではない。過去にあった1つの仮説
の検証として読んでいただければ幸いである。

 


TABLOID プロジェクトは、湾岸物件の
リノベーションとして、画期的だった

 

TABLOID の成り立ちについては、下の動画を見た方が、いちいち説明するより、理解
しやすいと思う(~1:35頃まで:TOKYO MX TV :2009年11月のニュース)。

TABLOID は、夕刊紙の印刷工場を、インダストリアル・ロフト風のレンタル・スペースに
リノベーションした建物である。

上動画で、TABLOID の仕掛け人として登場しているのが、東京電力グループの
リノベーション会社、㈱リビタのエクゼクティブ・プロデューサー(当時)、原田康弘
(はらだ・やすひろ)氏。

原田氏は TABLOID の成功により、2010年度のグッドデザイン賞をリビタにもたらした。

その後、彼は、リビタを離れたようで、2013年には、江東区の豊洲に都市型アウトドア・
パーク、WILD MAGIC(ワイルドマジック)を、SUPER PROJET Inc. のプロデューサー
として手がけたりしている。

原田氏が動画で説明している、印刷用の巨大輪転機のあった大空間ホールは、TABLOID
の最大の施設である。

これが後に、実際のアート・シーンで、どんな風に効果的に使われたかは、下の乃木坂46の
『君の名は希望 DANCE &LIP ver.』(2013)のPVを見るのがよいと思う(ホールの全貌が
登場するのは、 4:28 頃より)。『君の名は希望』については、当サイト記事を参照のこと。

 


TABLOID の各フロアについて。
P Y.House は何階にあった?

 

下動画で、タブロイドの各フロア別の説明を、さらに詳しく原田氏から聞いてみよう。

なお、これから述べるタブロイドの各施設は、1階のカフェ 『babbitt lounge』 を除き、
関係者以外立入禁止であり、読者の方はくれぐれも、この記事を見て気軽に見学など
お考えにならないよう、あらかじめ、ご注意を申し上げておく。

まず、1:36 頃に登場するレインボーブリッジが見える屋上であるが、この後、ここは
下画像のような、施設契約者専用のウッドデッキに整備された。

そして、このような形状の屋上デッキは、ハウス・メンバーのブログに、この時期、
時々登場して、メンバーのリラックスした姿を伝えていた。

また、Goosehouse になってからの USTLIVE での思い出話で、木村正英が
Play You.House の屋上のテラスが良かったという旨の発言をしている。

下画像上:KANDAFUL LIFE 『元気になれる家』(2010/06/17)より
下画像下:KANDAFUL LIFE 『まったりー』(2011/03/19)より

次に、1階のカフェは、2015年2月現在、『babbitt lounge(バビット・ラウンジ)』
という、『芸術家が集まる伝説の酒場』をモチーフにしたカフェ・ラウンジになって
いる(下画像:管理人撮影)。ただ、このカフェは、TABLOID オープン時からの
ものではなく、2012年になってフレンチ・カフェとしてリニューアルしたもの。

では、Play You.House が入居していたと思われる2010年当時は、カフェ・エリア
に何があったかというと、Think Green Produce の 『OVERALL(オーバーオール)』
という、文字通りオーバーオール(作業着)を着たスタッフがお出迎えする『工場の
食堂』をテーマにしたビストロがあった(下画像:Think Green Produceより)。
ここは、TABLOID のコンセプトにぴったりの『食堂』ではあったが、大テーブルで
相席になる場合が多く、ハウスメンバーには使い難かったからか、管理人の知るかぎり、
ここで食事しているメンバーのグログ記録などは見当たらない。

 

上の原田氏が説明する動画に戻って、TABLOID の2F・3Fに話を移す。

動画では具体的な会社名は挙がっていなかったが、2Fの各室は、TABLOID を
運営するスタジオレンタル・企画会社のSoul Planet(ソウルプラネット)のテナント
スペース。3Fのワンフロア全部は、この物件に惚れ込んで青山から本社ごと移転
したインポートデニムブランドのG-Star RAW(ジースター・インターナショナル)
テナントスペースとなっている。

これら、2F・3Fのテナントは、オープン時から現在も変化していない。

となると、Play You.House がもしテナントとして入っていた場合には、原田氏
が、動画で『個割りフロア』として説明している4Fであった可能性が高い。
この4Fは、各室のスペースが小さい分、レンタル料が比較的リーズナブルで、
アーティスト個人がスタジオに使っていた例を当ブログ管理人は知っている。

 

神田莉緒香のブログ、『KANDAFUL LIFE』の2010年6月5日付け記事には
Play You.House 企画 (この時点ではプロジェクト名は明らかにされていない)
の最初の打ち合わせが前日にあったことが、ゆりかもめ・日の出駅のショットや、
既にLIVEでおなじみの家具が運び込まれている(ただし壁面は前の住人の頃
からの壁画がそのままの)部屋の画像とともに報告されている。
下画像:KANDAFUL LIFE 『お仕事オフショット』(2010/0605)より

この部屋の前の住人(契約者)については不明だが、d-iZe兄によると、音楽
関係の人だったらしく、ギタレレやキーボードなどを置いていってくれたとの話
になっている(当サイト記事『ベイビー・アイラブユー』参照)。

仮説どおり、この部屋がTABLOID のレンタルスペースだったとすると、前の
住人はこの部屋を1ヶ月程度使用しただけで、P Y.House に譲ったことになる。

となると、この入念に描かれた壁画の由来が気になるが、この絵は、前の住人の
インテリア趣味というのではなく、TABLOID のオープニング・イベントとして
5月中旬に行われた『WONDER FACTORY』という4Fのフロア紹介企画での
アート作品だった可能性がある。

下画像は、おそらく、そのオープニング・イベントの際の4Fの一区画の展示室の
様子だが、画面中央の非常出口右横のグリーンの女性の絵に注目してほしい。

下画像は、 神田莉緒香が紹介しているPlay You.House の練習風景である。
部屋に描かれていた壁画は、LIVEカメラの画角に入るものは全て消去された
ようだが、それ以外の絵は残されていた。K.K.の間にある絵と上画像の絵を
比べると、上の展示室がP Y.House の部屋となった可能性は極めて高い。
下画像:KANDAFUL LIFE 『ちぇけちぇけ』(2010/10/23)より

さらに、SONY walkman Play You.の広報が公開したPlay You.Houseの部屋
近辺の平面図(下画像:管理人による元画像からのトレース。部屋以外の詳細
も記載されており、中央のみフォーカスした)と、TABLOID 4Fの平面図を照合
すると、ほほ合致する場所が見つかる。(その場所には、今、新テナントが入居
なさっており、TABLOIDに迷惑がかかる可能性があるので、具体的な位置に
ついては記載を控える)

 

Play You.House の所在についての今回の検証の最後に、状況証拠的な資料
を追加しておきたい。

下は、当ブログの記事、『イージュー★ライダー』で、このカバーは、2010年10月
16日に行われた Play You.House  通算13回目(2nd シーズンとしては3 回目)の
USTLIVE(⇒link) のオープニング曲であった。

 

イージュー★ライダー
/奥田民生(Cover)

 

話題にしたいのは、この曲自体ではなくて、この曲が終わってから、LIVE 開始
の挨拶をジョニー達がする(3:28~)時に、ずっと響いている『騒音』である。

このLIVE 回は、中村千尋、齋藤ジョニー、神田莉緒香の3人だけで行われた
こじんまりした回であるが、この『イージュー★ライダー』をはじめ、中村千尋の
『初恋』(⇒link)など、佳作曲が多く、印象的なLIVEであった。

そして、印象的ということでは、先に述べたように、この回は、LIVE 中ずっと、
騒音というか、ダンスミュージックと賑(にぎ)やかな人の声が、どこからか聞える
という、前代未聞のLIVE 回でもあったのだ。

齋藤ジョニーは、リビングでのトークで、『隣の部屋でパーティーをしている』、
『このライブが終わったら、ちょっと覗いてみようかな』と、のんきに話していたが、
途中、神田莉緒香が心配するほどの音量の騒音になったりもした。

この時の現象が、TABLOID・P Y.House 説で合理的に説明可能かを見てみる。

Play You.House のこの時の LIVE は、午後8時頃から9時30分頃まで行われたが、
ちょうど同時刻、TABLOIDでは、『隣の部屋』どころではなく、TABLOIDの全館を
あげて、大パーティーが催されていた事実がある。

このパーティー、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のTHE ART HOTEL NEST TOKYO
は、2010年10月14日・16日に開催され、仕込みに1週間をかけた、TABLOIDの
イベントでも最大規模の会場演出と盛況ぶりが話題となった催しであった。
その様子は、ブログ『DJ SARASA a.k.a. Silverboombox』の記事(⇒link)に詳しい。

 

以上、過去に囁かれていたTABLOID・Play You.House 説について、今の視点
から検証を加えてみた。繰り返すが、Play You.House の所在は未公開であり、
今後も明らかにされないと思われる。本記事はそれに異を唱えるものではない。

また、再度繰り返すが、TABLOID の各施設は、1階のカフェ 『babbitt lounge』
を除き、関係者以外立入禁止である。読者の方にはくれぐれも、この記事を見て
気軽に見学など、お考えにならないよう、お願いしたい。

 


Goosehouse は、いつか、きっと
快適なリビングとスタジオを取り戻す

 

Play You.House のリビングのゆったりしたソファや、冷蔵庫のあるスタジオは
見ているだけで快適そうで、 何か懐かしい解放感があった。

だから、Goosehouse の少し窮屈なスタジオに変わった時、ハウスメンバーは
本当は辛かったろうと思う。

でも彼等はまったく弱音を吐かなかった。そういうケナゲな彼等が大好きだった。
(とか言いつつ、ただ1人、『狭い』とか『暑い』とか不平を言っていた木村正英も
それはそれで、大好きなのだが)

 

今にして思うと、Play You.House のあの空間は、SONYが、たった10ヶ月間だけ
この世界に造り出した、ある種の住居の『理想形』だった気がする。

ある種の住居の理想形とは、つまり、シンガーソングライターの卵たちにとっての
快適なインキュベーター装置となるスタジオやリビングの、あるべき姿のことである。
SONYのスタイリスト達は、その理想形を、ちょっとラフなユーズド感のある家具と
インダストリアル・ロフト風の壁面とを対比させることで、お洒落に演出していた。

期間限定の『理想形』だから、少々リアリティに欠ける点はしかたなかった。

しかし、重要なことは、このハウスの姿が少々リアリティに欠けていたことではなく、
ハウスの継続をメンバーが強く希望し、当時の企画担当だったSONY グループの
島田浩太郎氏が、ついにグースハウス株式会社を設立するほど、このハウスは、
充分、『リアル』 だったということだと思う。

 

そして今、Goosehouse  の中の人も、ハウスメンバーも、ハウスという名に
ふさわしい快適なリビングとスタジオを、自分達の力で手に入れたいと願って
いるにちがいないと思う。当ブログ管理人も、その日が来ることを信じている。

下画像:当ブログ記事『なつかしのリビング』より

 

 



ポニーテールとシュシュ/AKB48(Cover)

ジョニーのアレンジが素敵なAKBの名曲。
神田莉緒香と竹澤汀がちょっと大人に
歌い上げて、別の曲みたいにオシャレ。

 


1000のバイオリン/the blue hearts(Cover)

これも心揺さぶられる曲。
ゲスト『閃光花火』のグルーヴ感あふれるカバー。
彼らのプロフィールも紹介。

 


Gee/少女時代(Cover)

JohnnyBeansのカバーの中でもイチ推し。
Geeが、こんなにオシャレな曲になるとは!